人間、どんなタイミングで何を思い出すのかって予想できないもので。
昨夜洗い物しながら、なんの脈絡もなく思い出したのがタイトルのとおり手相占い師に説教された日のこと。思い出したらちょっと笑えたので供養の為にも書き連ねたいと思います。
人生何事も経験と行った先で
それは私が大学生の時。中華街に行ったことがないと話すと、横浜生まれ横浜育ちのシティガールが「案内してあげるよ!」と提案してくれたのでお言葉に甘える事に。
肉まんを食べ、ゴマ団子を食べ、よく分からないパンダのおもちゃに笑い、それはそれは楽しい時間を過ごしていました。
「私も詳しくはないんだけど、あっちに手相やってる所あるから行ってみる?」
シティガールが指差すのは路地裏の方角。
正直あんまり興味はなかったけれど、一度くらい経験しておくのもありかと雑然と並ぶ建物へ。
暖簾をくぐると、そこはわりと狭めの一室。占い師と思しき人は二人。
どちらも中年の女性で、おそらく交代制なのか接客してくれたのはその内一人の女性だけだった。一人1500円で見てくれるというので意外と安いんだなと思ったのをよく覚えている。
それではお先どうぞという事で、先に私が見てもらうという事になり椅子に座る。
で、わたくし、先ほどあんまり興味がないと書いた事からお分かりのとおり、占いを信じていない。
誰もが身に覚えがありそうな事を言っていくんでしょどうせ、とか思ってた。血液型占いに至っては「あっ変人なんだね〜笑笑笑」と当たり前のように言われるAB型なのでむしろ嫌いである。でもまったく信じていない訳ではなくいい事だけはありがたく受け取るタイプです。だって気分よくいたいんだもの。
なので、一個でもいい事言ってくれたらいいな〜とか、そんな軽いノリだった。もしかしたらそんなヘラついたノリが気に入らなかったのかもしれない。
「この線が結婚線で〜…ここが恋愛の…」等、説明しているのを「なるほどですね〜」という相槌の気の入らなさが彼女を苛立たせたのかもしれない。でも当時結婚も恋愛もはぼ興味なかったんだから仕方ないと思う。
「あなたはねえ、」と若干語気が強くなった。
「今後苦労しますよ、意志も弱そうだし」
弱そう「だし」?
突如変貌する占い師
「だし」は占い結果なの…????
それともこの人の主観なの…?????
困惑する私。
「お金に苦労するし健康面にも不安がありますね!」
おお…いいとこ一個も出てこない…
「結婚もできなさそうですね!」
おばちゃんアンタさっき私に「結婚は早くもなく遅くもなくですかね〜」って言ってなかった????
思わずシティガールを見る。目を丸くしているシティガール。そりゃそうだ。
こんな感じでお先真っ暗な事ばかり言われ続ける事数分。
シティガールにバトンタッチして席を立つ私。
1500円払って唾吐きかけられた気持ちで、シティガールの診断結果をぼんやりと聞く。
「あなたは人生が開けていきますね〜〜〜」
「悪いこと起きないですね〜〜〜」
おいおいおいおいすごい差だなおい。
しかも内容が全部ふわっっっとしてる。持ち上げようとしてる感がビンビンに伝わってくる。
「でもあなたは気をつけた方がいいですよ!」
そして急に私に話の矛先を向けてくる。話というかもはや刃の矛先である。
私にはもうこんな顔した魔女にしか見えない。
こ、このおばちゃんどんだけ私嫌いなんだ…
その後も度々シティガールを持ち上げ、「でもあなたは」と私に忠告が入る。というか最早私への忠告が主になってきた。
忠告が突拍子もなさ過ぎてこの時間はシティガールの1500円だという正論をいうのも忘れる。
手相の経験も初めて、
会って数分の人間にここまで嫌われる経験も初めて…
怒涛の初経験に怒りも沸かず呆然唖然。シティガールも呆気に取られて終始無言。診断が終わり、外に出された時には二人ともしばらく無言。
「アイス食べて帰ろっか…」
そう言って二人で何とも言えない気持ちを抱えながら中華街を後にしました。
果たしてお先真っ暗な人生を歩んだのか
さてそれからの人生どうなったかというと、受験勉強で多大な時間をかけた事に関しては苦労したけれど、今となっては必要な苦労で無事資格も得たし、結婚して健康面も問題なし。
全て何も問題ないとは勿論言えないけれど、それなりに楽しい人生やってます。
占いが全部嘘だとは思っていません。長い人間の歴史の中で、太古から今でも廃れることなく存在する占いは人にとって必要なものなのかもしれない。こつぶさんの名前を考える時には私だって姓名判断調べたし。
ただやっぱり、私には信じたい事だけを信じるスタンスが合ってるなーってつくづく思います。
あ、でも一個だけばっちり言い当てられてた事あったんですよね。
「親にも迷惑かけますね!自立できなくて!!」
これね。これ。お恥ずかしい限りだけど自立までに結構時間かかったよ大当たりだよ。
もう全てはこれに尽きる。
かーちゃんありがとう!!!!